夏だ!やっぱり気になる体臭・多汗症 特集!

日本人は欧米人に比べて体臭が少ないと言われていますが、夏になると気になるのが体臭。

欧米では、体臭を生理的な現象としてあまり気にとめませんが、東洋、特に日本や中国では恥ずべきこととして非常に気にする傾向にあります。

体臭の一番大きな要因となるのは汗。人間には、精神的に動揺した時などに汗を出すアポクリン汗腺と、暑い時やスポーツをした時などに汗を出して体温調節の働きをするエクリン汗腺という2つの汗腺があります。

アポクリン汗腺は体毛の密集したわきや陰部、乳首の周りなどに分布し、そこから出る汗は粘り気があり白や黄がかっているのが特徴。エクリン汗腺は体全体に分布していて、ごく普通のさらっとした汗を出します。

ワキガは、わきの皮膚にあるアポクリン汗腺の分泌が盛んになることが大きな原因の一つです。汗をかいたわきの下で、過剰に分泌されたアポクリン汗腺から分泌される脂肪酸エステルという成分が、皮膚や毛穴の雑菌によって低級鹿肪駿に酸化・分解されます。これに皮膚の表面についたアンモニアなどが加わってワキガ特有のいやな臭いを放つというわけです。アポクリン汗腺は誰にでもあり、ワキガの場合は汗腺自体が大きく発達し、密度も濃いのです。ワキガは遺伝性があり、両親のいずれかがワキガの場合は、子どもも可能性が高くなります。


消臭対策

わきの臭いやワキガ対策として、自分で手軽にできる方法があります。まずは、わきの下を清潔にしておくことが1番ですが、最近はさまざまな制汗・デオドラント剤も市販されています。

①清潔にして雑菌を減らす
わき毛を剃って湿気にくくするとともに風通しのよい服を着用。特に
夏場は、こまめにシャワーや入浴で洗い流し、わきの下を清潔に保ちま
しょう。

②制汗剤で汗を抑える
制汗剤には、汗を早く気化して飛ばすホルマリンアルコールや塩化ア
ルミニウム水溶液などの塗り薬があります。ほとんどはエクリン汗腺か
らの発汗を抑えるもので、皮膚科などで処方してもらえます。

③酸化防止剤で臭いの元を断つ
アポクリン汗腺から出た汗が、臭いの元になる低級脂肪酸に分解され
るのを防ぎます。

④消臭剤で消臭・マスキング
消臭剤には、ハープやミントなどの香料の心地よい香りでいやな臭い
を覆い隠すマスキングタイプと、バイオや化学的な方法で消臭するタイ
プがあります。

⑥心因性なら精神安定剤
周りは誰も気にしていないのに、「自分の体は臭う」と手術を希望する
ケースもありますが、精神的な発汗で症状が悪くなる場合があります。
こうした場合は、精神神経科に相談して治療を受けることも一策です。

効果が大きいと傷跡も大きい
一般的に、ワキガの治療は①切除法②皮弁法③吸引法の3つの手術に
大別されますが、治療が必要なのは、他人が認める臭いがあり、本人に
治療を希望する意思がある場合です。

切除法
外科手術によってわきの下の皮膚を汗腺ごと取り除いてしまうもので、手術そのものは簡単なうえ、治療効果は100%。ただし、大きな傷跡が残ってしまいます。

皮弁法
わきの皮膚を1~2カ所、4~5センチ切開し、臭いの元になるアポクリン汗腺を取り除きます。これによって80~90%は取り除くことができるうえ、切除法ほど傷跡は大きくなりません。この手術でも、できるだけ多くを取り除こうとすると、皮膚が薄くなって黒ずんだり、シワになったりする場合があります。





吸引法
今現在、体に負担の少ない低侵襲の治療法として主流となっているのは、吸引法です。吸引器具として超音波吸引メスというものを使用するのが最も一般的です。わきの皮膚1~2カ所を1センチ程度切開して吸引器具を挿入し、アポクリン汗腺の部分をかき出しますこの方法だと、傷跡はほとんど分からず、合併症が発生しにくいというメリットがあります。しかし、前の2つの手術と比べて効果は低く、30~50%くらいしか取り除くことができません。要は考え方次第で、30~50%とはいえ、臭いの元を取り除くことができるのです。たとえば、若い女性がいきなり大きな傷跡の残る手術をするというのは酷な話。効果は低いけれど体に負担の少ない手術をし、それでも気になるようであれば切除法などを考えてみるのも一つの方法です。




ボトックス注射
5年前くらい前から、新しい治寮法の一つとして広まってきたのがボトックスという藁を用いた治療。ボツリヌス毒素をわきに注射し、汗腺を支配する交感神経終末を直接ブロック。これによって、発汗や臭いを抑えるというものです。薬なので効果は半年しか持ちませんが、逆にそれだけ安全だともいえます。ボツリヌス毒素というと怖いような気がしますが、今や広く医療の現場で利用されるようになっています。この治療法は、皮膚近くにあって取り除くのが難しいエクリン汗腺を神経からブロックして発汗を抑えることができ、多汗症に効果的です。
            



2~3日は入院しを
手術の後、一番怖いのは血腫。無理をすると手術した部分に血がたまって皮膚がただれたり、傷の治りが遅かったり、ひどい傷が残ったり、完治するまでに何カ月もかかってしまう場合もあります。それが原因でトラブルになるケースも少なくありません。そうならないためにも、せめて手術後2~3日は入院し、血がたまっていないのを確認してから退院したほうが無難です。また、退院後も、1週間程度は安静にしておく必要があります。

悪質治療にご用心
美容外科の世界では、体臭などに悩む心につけ込んで、お金を搾り取るような治療もみられます。営利目的で過大な宣伝をして、ワキガなどの治療として高額な費用で手術している例もあります。意外に知られていませんが、病気としてのワキガの治療は保険診療で行われています。ただし、注意しておきたいのは、手術は魔法ではないということ。手術をすれば傷跡は残りますし、合併症が起こらないとも限りません。後のトラブルを防ぐためにも、治療の前には十分に納得できるまで、医師から説明を受けるようにしましょう。

 
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